Advanced Medical Care Inc.

病気にならない"未病"への挑戦
真に健康で美しい人生を送れる
社会を目指して

代表取締役社長 古川哲也

次のエントリー 前のエントリー

医療ビジネスの視野が新たに広がる

ハイメディック事業をAMCとして取り組むことは古川に大きな影響を与えた。これまでAMCも医療機関の運営支援を通じて健診・人間ドック事業を行ってきてはいるが、画像診断はCTやMRIというところまでだった。それがハイメディック事業を担うことで、PET(陽電子放出断層撮影)という核医学や最先端検診技術に触れることができた。現在のハイメディック事業において、PETは主にがんの早期発見のために活用されているが、PETの診断能力としてはがんだけでなく、脳や心臓、血管系の疾患に関する早期発見への応用も期待されている。リゾートトラスト(株)の執行役員を兼任し、ハイメディック事業にも関わることで、古川自身は多くのことを学び、人脈はもちろん、医療ビジネスの視野が一層広がったという。

「世界最高の会員制医療サービスの創造を目指すハイメディックは常にイノベーションを重ねており、また、ハイメディックの医師や社員との交流や、ハイメディックの強みであるPETなどの核医学を深く学ぶことができたことで、医療業界における造詣が深まるきっかけとなりました。このチャンスを得られたことは非常に幸運なことであったと感謝しています。またリゾートトラスト(株)の執行役員として役員会やさまざまな委員会に参加させていただくこととなり、直接、リゾートトラスト経営陣の薫陶を受けることができ、経営というものの視野が大きく広がりました。」

リゾートトラストグループには、AMCが運営支援する医療機関をはじめ、膨大な健診・ドックのデータが蓄積されており、これらビッグデータに積極的なアプローチ、分析をすることで予防医療に活用したい考えだ。

ハイメディック事業としては2016年6月に「ハイメディック京大病院コース」、7月には「ハイメディック名古屋コース」が開業し、全国にハイメディック・ネットワークを拡大していこうとしている。

ハイメディック京大病院コース

(医)進興会への業務支援、名古屋への進出。さらに健診事業を拡大

ハイメディックの検診拠点が次々と拡大していく中、さらに大きなニュースが流れた。2016年5月13日、前述の(株)ハイメディックとオリックス(株)が共同でヘルスケア事業を開始することが発表されたのである。古川は、両社が出資する(株)進興メディカルサポートの代表取締役に就任。同社は、東京都に8施設、仙台市に1施設の健診センターを持つ(医)進興会の健診事業を、財務・経理・総務・人事・広報・健診事務代行といった側面から支援する。

「(株)進興メディカルサポートと進興会の職員は全部で約650名、進興会は健診センター9か所、健診受診者数およそ年間で40万人で、これまでのMTCグループにおける健診受診者数が年間約6万人であることを考えると、かなり大きな事業体になりました。この合弁事業を通じて私たちは進興会が持つ40万人規模の健診ノウハウを学びつつ、一方で管理会計手法やコーポレートガバナンスをはじめとするMTCやAMCのノウハウを提供し、お互いの成長につなげていきたいと考えています。膨大な医療データや知見の活用、人材・学術交流を積極的に行い、さらには化粧品ミューノアージュやサプリメントの販路拡大など、既存事業との相乗効果も大いに期待しています」と古川は語る。

さらに、2017年10月には、東京ミッドタウンクリニックのフラッグシップ施設として、名古屋駅直結のJPタワーに、600坪の敷地を構える「ミッドタウンクリニック名駅」をプロデュース、開業。名駅エリアでは唯一の男女別受診フロアを採用し、健診激戦区の名古屋エリアでもブランド確立を目指す。

これによりリゾートトラストグループの全医療拠点数は介護付き有料老人ホームも含めると約50拠点※となり、日本有数の医療グループを構築する中でAMCはますます存在感を高めることとなった。

※2021年5月現在

3,000人の仲間とさらなるグループシナジーの追求へ

そして、2018年4月にはリゾートトラスト(株)取締役 メディカル本部長、(株)ハイメディック 代表取締役などに就任し、メディカル事業のトップとして、グループ会社も含めておよそ3,000人のスタッフを束ねる立場となった。

「私たちはもはや東京ミッドタウンクリニックの運営だけを行う組織ではなくなりました。ひいては、メディカル事業だけにとどまらず、シニアライフ事業、リゾートトラストの会員制事業、ホテルレストラン事業などの他事業との連携によって新たなサービスや付加価値を生み出し、会員様やお客様の満足度追求にもより一層知恵を絞る必要があるでしょう。
また、働き方改革やIT・AIの活用といった時代の流れも見据え、コンプライアンスの徹底、システム化による業務効率の改善にも取り組んでいきます。私が目指すのは、仕事が楽しくて、給料が高くて、早く帰れる会社。そんな会社をスタッフと一緒に作っていけたらと思います。」

そんな中、2020年5月に、製薬系企業が多く立地するライフサイエンスの拠点として発展を続ける日本橋に「日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック」が開設した。男女別受診フロアの採用や英語完全対応など国際化対応も意識した医療施設だ。しかしここでも新たな試練が立ち向かう。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行だ。

「一回目の緊急事態宣言下で、健診・人間ドックは、不要不急の医療といわれ、医療機関に行くことが推奨されなかった。4月を予定していたクリニックの開業が遅れるだけでなく、運営支援する医療施設全体が苦境に立たされました。そんな中でも新型コロナウイルス感染症に関する情報をメルマガやWEBで発信し啓蒙活動をおこない、電話医療相談、遠隔診療などに取り組みました。この未曽有の中で、お客様に寄り添いニーズに応えられるかを常に念頭に置き、創意工夫を積み重ねました。」

さらに医療機関への通院控えが続いた状況下で、ハイメディックの会員様より体調が不安といった声が届いた際には、市販薬(風邪薬、のどの痛み、鼻風邪、漢方薬など)を推奨する情報を提供し、大きな反響に繋がった。そしてPCR検査をやってほしいという声に対して、早い段階でPCR検査キットを入手し検査を実施。また社員全員にPCR検査を実施したいという企業からの要望にもすぐにお応えした。その結果、ハイメディックの会員権を購入いただくなど思いがけないこともあった。コロナ禍という厳しい状況下においても、お客様の役に立てることを考えて実行することで、自分達のブランドを高めていけると感じた出来事だった。

人生100年時代、健康長寿を実現する医療業界のプロフェッショナル

そして古川は2021年4月リゾートトラスト(株) 常務取締役 メディカル本部長に就任し、今まで以上にリゾートトラストグループのシナジーを強化し事業に取り組みたいと語る。

「リゾートトラストは1973年に会員制ホテル事業からスタートした会社ですが、メディカルそしてシニアライフ事業は今、大きく成長しています。お客様によりご満足いただくためには、部署や会社を超えて様々なニーズにお応えしていくことが非常に重要と考えています。今まで以上にグループシナジーを強化し、全社員が一丸となって仕事に取り組んでいけるような様々なアプローチを実行していきたいと思います。」

2021年、15周年を迎えたAMCは新しいステージに立とうとしている。エイジングケア事業部では新しいブランドの立ち上げを予定している。もちろん医療に関わってきたAMCだからこそできる医師のエビデンスをもとに開発されたプロダクトを展開予定だ。再生医療分野においては幹細胞治療の提供を始め、健診・人間ドック事業では新拠点開設を予定するなど、多岐に渡って複数のプロジェクトが進行している。

改めて15年という節目に古川が求める社員像を聞いたところ「人生100年時代、健康長寿を実現する医療業界のプロフェッショナル」という言葉が返ってきた。

「人生100年時代がやってくるにあたり健康長寿の価値観も変化しています。これまでも、 “心身ともに自立した生活ができる期間=健康寿命を伸ばすこと”が提唱されてきました。しかし、今の時代に求められている「健康長寿」の意味はそれだけではないと考えます。人生100年をどうやって豊かに生きていくのか、生涯現役を貫きたい、趣味の時間を充実させたいなど、それぞれの思いがあるのではないでしょうか。そういったニーズをいち早くとらえて、ソリューションを形にしたり、提案したりできるのが真のプロではないでしょうか」と古川は語る。

「会社というものは、当たり前ですが素晴らしいアイデアだけでは成り立ちません。それを形にしていける"人"が必要です。今でこそ多くの社員が活躍していますが、誰も最初から何でも完璧にこなせてきた訳ではありません。医師をはじめ様々な人たちとコミュニケーションを取りながら学び、経験を重ね、時には落ち込み、失敗や困難を乗り越えながら成長しています。こうして成長してきた社員がさらに重要な役割を担い、今では管理職やリーダー的存在となってプロジェクトを進めているのです。このコロナ禍での経験はもちろん、AMCが15年かけて培ってきた人脈やノウハウ、グループシナジーを最大限に活用していきたいと思います。お客様の人生と気持ちに寄り添い、何ができるかを常に考え、医療業界のプロフェッショナルとして会社と共に成長していける、そんな仲間にこれからも出会ってきたいですね。」

※JHMとの契約は2017年3月に終了しています。

仲間とともに、会社忘年会にて

※所属・インタビュー内容は、2021年5月時点のものです
特集「PEOPLE」トップへ