株式会社アドバンスト・メディカル・ケア

認知症に希望の光プラズマローゲン

専門家の声

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Vol.04
新しいプラズマローゲンの効果が徐々に明らかに!

藤野研究チームにより、現在2つの臨床試験が進行中です。実際に患者さんを診察している医師たちはホタテ由来のプラズマローゲンの効果を実感しています。藤野武彦先生に解説していただきました。

左:九州大学名誉教授 医療法人社団ブックス 理事長 レオロジー機能食品研究所 代表取締役 一般社団法人プラズマローゲン研究会 藤野 武彦 先生
右:聞き手: ヘルスバンク株式会社医療ジャーナリスト 石塚 集(いしづか あつむ)

医学に関するテクノロジー、診療報酬・介護報酬などの公共政策を中心に取材・執筆を行なう。医療・介護従事者向けの医療・介護制度改正セミナー講師も行なっている。医学ジャーナリスト協会、メディカルライター協会、日本科学ジャーナリスト協会会員。

原材料をホタテに変えたことで効果はどう違う?

石塚
さっそくお話を伺わせていただきます。プラズマローゲンの原材料をホタテに変更なさったそうですね。ホタテ由来のプラズマローゲンにはDHAやEPAが多く含まれているようですが、原材料の変更によってどのような違いがみられているのでしょうか。
藤野
現在、ホタテプラズマローゲンを用いた臨床試験が進行中なので詳細な報告はできませんが、今までの私の患者さんを中心に感想を述べますと、ホタテに変えたことによってプラズマローゲンそのものの効能が鋭くなり、作用が速くなったという印象です。臨床試験開始時には、効果が出るまでに3~6ヶ月はかかると予測していたのですが、ふたを開けてみると、2週間程度で多くの方に明らかな効果が現れました。睡眠障害に関しては、1日で睡眠の質が良くなる方が多くいらっしゃいます。プラズマローゲンは、大きく分けると慢性的効果と急性的効果があります。ホタテ由来のプラズマローゲンは、急性的な効果がまず確認されたといえます。さらに慢性的な効果に関しては、徐々に明らかになってくると思いますが、神経細胞の新生を証明する所見がどの程度現れてくるのかとても期待しています。
石塚
原材料をホタテに変えたことによって、鋭く早い効果が確認されつつあるということですね。有効率などの指標は試験終了後報告されると思うのですが、現在お話しいただける範囲の中で、できるだけ具体的に教えていただけますか。
藤野
オープン試験の中間報告ですがホタテ由来のプラズマローゲンは、以前と比較しますと有効率が上がりました。5割程度だった有効率が6~7割まで上がっています。しかもそのうち半数はMMSE(認知機能テスト)が顕著に改善されました。またレビー小体型認知症では、8割以上の人で幻覚症状が消えています。
石塚
ホタテ由来のプラズマローゲンが内包する「DHA」や「EPA」とプラズマローゲンの効果とは関係があるのでしょうか。
藤野
ホタテ由来のプラズマローゲンの構成成分として従来のプラズマローゲンと比較してDHA、EPAが格段に多いことが分かりました。このDHA、EPAは不飽和脂肪酸の一種ですが、脳内においていろいろ重要な働きをするということは、過去の論文で多数報告があります。ただDHA、EPAを単独に与えても血液脳関門という関所を通りにくいのですが、プラズマローゲンとして存在するDHA、EPAは容易に通過できるという大きな利点があります。

青魚のサラサラ成分DHA、EPAとは?

DHA、EPAは、人体にとって重要な脂肪酸で、必須脂肪酸と呼ばれています。私たちの脳や目、血管など全身に幅広く存在し、血液をサラサラにしたり、頭を元気にするなど重要な役割を担っていますが、自らの体内では合成できないため、青魚などの食べ物から摂取する必要があります。

認知症患者さん達の改善の様子は?

石塚
レビー小体型認知症の女性(81歳)が、ホタテを原材料にしたプラズマローゲンを2週間摂取されて、症状改善が確認できる映像資料を拝見しました。言葉があまり出てこない状況から、顔の表情が変わり、他人への気遣いも見せるようになるなど、劇的な変化があったように感じました。藤野先生は、実際にどのようにお感じになられましたか?
藤野
その女性患者Aさんは、典型的なレビー小体型認知症で、いわゆる幻覚・幻視に苦しまれていました。幻覚・幻視というのは、非常につらい症状です。誰もが幻が見えると自信喪失して、人と話をできなくなる程の気力の低下に繋がっていきます。またこの方にはパーキンソン症状もあり、いわゆる仮面様顔貌といわれる、顔の表情が固くなってしまう症状も見られました。
石塚
なるほど、かなり自信を失われていたのですね。パーキンソン症状があるという前提だとしても、症状改善前は暗い雰囲気の印象を受けました。
藤野
Aさんは介護施設に入居されています。摂取開始数日後に、最初の改善報告を受けました。施設では食事を入居者の方々と一緒にとるのですが、会話がなかった状態から、自ら話をする状態になったそうです。2週間後に私が訪問診察をしたのですが、本人の口から「幻は見えません」とハッキリ聞くことができました。幻覚が消失した時期と一致して、他の症状にも改善が起きていました。パーキンソン症状である仮面様顔貌(固い表情)がやわらかい表情になり、笑顔が出てくるようになったのです。
さらに驚いたことに、訪問診察が終わって、私が部屋を出るときに、介護スタッフに「先生をお送りしてあげて」とやさしく声をかけられたことです。これは、他人に対する気遣いの表れです。他人への気遣いは、人間の脳機能の中でも高いレベルの機能です。医学の世界では、治療効果としてチェックする項目ではないので見落としがちですが、他人とコミュニケーションをとるために非常に大切な能力です。この気遣いや笑顔が出てきたということは、超高次機能が改善されたことを示し、いわば人間の尊厳のようなものが戻ってきたともいえます。
既にアルツハイマー型認知症に有効であることは証明しているのですが、新たにレビー小体型認知症にも効くということがAさんと他の症例からも証明されました。さらに交通傷害で高次機能障害になった人、脳血管性や他のタイプの認知症にも有効であることも分かってきています。

プラズマローゲンで音楽や運動能力も高まる!?

石塚
これから認知症予防に取り組もうと考えている方は多いと思いますが、まず脳疲労から脱却していきいきと暮らすことが認知症を遠ざける秘訣なのではないでしょうか。そのためにスポーツや音楽を楽しむことも大切と思いますが、運動は本当に脳に良い影響を与えるのでしょうか。
藤野
運動機能と脳機能との因果関係はいくつも証明されています。脳と筋肉との連携がうまくできている人が超一流の選手です。脳機能の低下は、運動神経の低下に繋がります。運動能力を高めるために、筋力トレーニングだけを行う人がいますが、筋肉を単体で鍛えても運動能力の大きな向上は望めません。どういうことかといいますと、その運動が、本人にとって気持ちがいいとか、納得できる、腑に落ちるというような運動以外は、実は、運動機能が向上しないどころか有害であることが分かったのです。例えば、「走る」ということはマラソンランナーにとって非常に重要ですが、屋内運動場で走るのと、街路樹があるような屋外で走るのとを比較実験しました。何が起こったかというと、屋内運動場の方が、不整脈がおこる確立が高まることが分かりました。
石塚
これは先生の提唱している脳疲労にも関係しているのですか?
藤野
一流の選手を見ていると分かると思うのですが、コーチに言われた通りにやっているわけではないですね。自分の中で納得がいく練習をしている。つまり、脳と身体を連携させるシステムができあがっているのです。脳と筋肉が一体となったときに初めて瞬間の判断を行う直感も働くようになるのだと思います。例えば、サッカーの選手同士の一瞬のアイコンタクトは、言葉もなく意識して考えているわけでもありません。脳の中でも、超高次機能といわれる部分が活動しているから可能なのです。 このプラズマローゲンは疲労した脳を回復させ、持続力や高次機能を高めることが可能です。従ってスポーツや音楽の能力が高まるということは十分に考えられることです。まとめますと、プラズマローゲンは「脳疲労」を解消するだけでなく、さらに「脳活性」に導くことが期待されます。

まもなく、学術的な裏付けが出ます。

藤野
今、我々は2つの臨床試験を行っています。どちらも「認知症に対するプラズマローゲン含有食品の臨床試験」ですが、一方は、アルツハイマー型認知症(軽症)の方や認知症の疑いのある方たち400人を対象とした二重盲検試験、もう一方は、中等症、重症のあらゆる認知症を含んだオープン試験です。当初は400人を対象にした二重盲検試験だけだったのですが、効果を感じられた患者さんやご家族の方からの反響が大きく、重度の方たちにも対象を広げて調査をすることにしたのです。この結果は、前者が来年3月、後者は今秋明らかになります。
石塚
藤野先生、本日はありがとうございました。