認知症に希望の光プラズマローゲン
専門家の声
Vol.06
ケアマネジャーが教える認知症予防と、施設の選び方
ケアマネジャーは介護保険サービスを利用する上でかかせない介護のプロフェッショナルです。ケアマネジャーが持つ知識と経験は幅広く、医療と介護の領域を横断しており、患者さんの容体を判断するときに、医師がケアマネジャーに相談をすることもあります。今回インタビューしました北澤ケアマネジャーは認知症ケア専門士の資格も有し、介護サービス付きの高齢者住宅で、様々なケアを実践しておられる方です。認知症や高齢者の方々のケアを経験している方だからこそ分かる現場の知恵をお話いただきました。
北澤 睦子ケアマネジャー
トラストガーデン株式会社トラストガーデン等々力 計画作成担当認知症ケア専門士、介護支援専門員。
ケアマネジャーは、介護保険が始まった2000年に誕生した公的な資格です。介護保険を利用するご本人・ご家族の相談にのり、最適なケアを受けられるように総合的なコーディネートを行うことがケアマネジャーの主な役割です。
介護の総合コーディネーター ケアプランを立てるために重要なこと
ケアマネジャーの仕事は、アセスメントに始まり、アセスメントに終わるといわれています。“アセスメント”とは直訳すると「査定」という意味ですが、介護で使うアセスメントという概念は、ケアを受ける方が何を求めているのかを正しく知り、どのような援助が必要なのかを見極める一連の手続きのことを指します。入居される方は一人ひとり違ったニーズを持っています。そのニーズに細かく答えていくために、具体的には「ご本人・ご家族の望む生活」、「続柄や同居・別居、勤労状況など」、「起床・食事・日中の過ごし方・入浴・就寝」、「主治医・傷病名・症状・既往症・服薬」、「麻痺・関節の拘縮・皮膚疾患・褥そう・痛み」、「食事に関する状況」、「排泄に関する状況」、「ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)」、「認知症の症状」などをお伺いしていきます。ここでのヒアリングがケアプランを立てる上でとても重要な過程になるのです。ご本人様・ご家族様としっかりと意思疎通をとることで課題を共通認識することができ、入居後もスムーズに生活をお送りいただくことができるようになります。
メディアが取り上げる高齢者への虐待事件。良い施設を見抜くポイントとは
最近は、高齢者への虐待ニュースを聞く機会が増えました。あってはならないことだと思います。施設が外に開かれていないと、調査するのも大変になってしまうでしょう。閉鎖的な介護施設は信用されない時代になりそうですね。このような問題を未然に防ぐには、施設側にどれだけ余裕があるのかがポイントだと思います。たとえば、施設に入居される方は介護スタッフにとってほぼ目上の方になります。社会人であれば、目上の方とお話をする時に敬語を使うことは当たり前のことですよね。ですから、ひとつひとつの介助動作の前に敬称をつけてお声がけすることは、ご本人にとっての安心にもなりますし、お互いの信頼を築く上での重要なコミュニケーションだと考えています。けれども、施設によってはそれができないところがあるようです。働く方の労働環境が悪く研修もままならない施設だと、それがそのまま入居されている方へのケアに直結することになってしまいます。入居施設を決める時には、建物や設備といった外側の面だけでなく、働いている方たちに笑顔や気持ちのよい挨拶があるのか、報告体制はどうなっているのかなど、内側を厳しく見られたほうがよいと思います。施設へは入居前にいろいろと質問ができますので、特に報告体制は必ず確認した方がよいでしょう。施設内でトラブルが起こる場合には、必ず前兆があります。たとえば、入居されている方が「スタッフの○○さんが私を叩くのよ」と言ったとします。介護の現場では時々そのようなことが起こります。経験のないスタッフだと、「私は叩いていないのに、認知症だから言っているのかな?」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、認識の違いが起きている原因が必ずあるのです。たとえばトイレ介助の際に介助動作が少し早くなってしまい、不快な念を抱かれることになってしまったことが、「叩く」という表現になったりします。私はケアマネジャーとして、ご本人様に少し深く「どういうお気持ちでしたか?どんなことがありましたか?」と前後に起こったできごとも含めてお伺いするようにしています。そして、内容を記録して、ご家族にも報告しています。この一連の行動が大きな事故になることを未然に防ぐことにつながると考えています。
周辺症状には、必ず原因がある
認知症と聞くと、医療従事者や介護従事者でない限り、「症状を無くす」「症状を抑える」といった根治療法を思い浮かべるでしょう。もちろん根治するような治療方法が確立されると良いのですが、現在の治療では進行を少し遅らせるのが精いっぱいのようです。認知症には「中核症状」と呼ばれる記憶障害、判断力の低下、見当識障害などと、中核症状が進むにつれてでてくる「周辺症状」と呼ばれるものがあります。周辺症状とは暴言や暴力、抑うつ、興奮、昼夜逆転や不眠、幻覚や妄想、せん妄、徘徊、弄便、失禁のことをいいます。介護の現場では「周辺症状」をどれだけ緩和できるかがケアの中心になってきます。
たとえば、記憶障害(中核症状)のある人が、自分で時計を引出しにしまったとします。ところがそれを忘れてしまい「時計が見つからない」と焦ってしまうことがあります。自分が物忘れをしたという事実や不安を打ち消したくなり、誰かがものを取ったと妄想することがあります。この妄想は認知症の方すべてに起こる症状ではなく、ご本人がどんな性格なのか、どんな環境にいたのかに左右されます。この妄想は中核症状からではなく、不安な気持ちからきているのです。ですから、ケアをする側には、ご本人の気持ちをどれだけ深く想像できるかということが問われます。必ずどんなことでも周辺症状が起きるのには理由があるのです。その原因までたどり着くことができれば、自然とケアの質が上がってきます。最近では、一般にも「認知症のサポーター」という制度が広がり始めています。一般の方は介護従事者のように深い知識や経験はいらないと思いますが、地域で認知症の人に遭遇した時の接し方などは知っておくとよいでしょう。
認知機能関与成分『プラズマローゲン』研究第一人者藤野武彦先生に伺いました。
認知症の発端は「脳疲労」から、そしてさらに「脳疲労」とは脳細胞におけるプラズマローゲン減少状態であると推測しています。そうすると、「脳疲労」を解消することが認知症の最も有効な予防法となるでしょうし、有力な治療法となることが考えられます。実際、我々の動物実験データ、臨床試験データがこのことを強く示唆しています。 「あなた、また忘れたの?」「また同じこと言ってる!」という発言が、周りの人たちにしばしば見られますが、それをまずは止めましょう。家族の非難…特に、結果として人間の尊厳を傷つけることを止めたら、それだけでも認知症が改善することがあります。というのは、家族の非難で「脳疲労」はどんどん進行する、つまりは、プラズマローゲンが減少していくからです。そして、家族の非難→患者のプラズマローゲン減少・認知症増悪→家族の非難増大・・・が始まり、家族も疲れ果てる共倒れ現象が生じます。そこで、認知症の治療は、まずはこの悪循環を断つことから始めなければなりません。そのためには患者の尊厳を損なう非難を止めて、患者自身が誰よりも不安に感じている認知機能低下を受容し共感することです。そうすれば、一転して良循環に変わるでしょう。
藤野 武彦 先生
九州大学名誉教授 医療法人社団ブックス 理事長 レオロジー機能食品研究所 代表取締役 NPO法人 BOOCSサイエンス 代表理事
これからの日本は認知症予防が課題に
昨年の厚生労働省の発表によると、全国で認知症を患う人数が2025年には700万人を超えて、65歳以上の高齢者の実に5人に1人が認知症になると予想されています。2025年・・・まだ先と思いがちですが、あと9年です。認知症に悩まれる方を増やさないよう、どれだけ予防できるかがこれからの日本の課題ですね。
ケアマネジャーの研修では、どういう人が認知症になりやすいかという傾向を示したデータを使って学ぶことがあります。傾向として深く関係していると感じているのは、高血圧、高血糖、肥満などのいわゆる生活習慣病ですね。不摂生は脳に与えるダメージも増えてしまいます。心当たりがある方は、生活を改善していきながら、運動も増やしていくことが大切です。また、認知症の方をケアしている経験から話しますと、ご本人のストレスが増えると周辺症状も比例して増えていく方が多いです。ストレスは脳へのダメージも大きいのだと思います。ストレスをどう発散するのかは認知症の予防だけでなく、明日を生きるためにも非常に重要なポイントですね。
プラズマローゲンの臨床試験に期待膨らむ
最近の研究で、アルツハイマー型の認知症患者さんはプラズマローゲンが少ないことを指摘されていることを知りました。プラズマローゲンは酸化や心のストレスによって減ってしまう成分だそうですね。九州大学名誉教授 藤野武彦先生の理論と研究成果を拝見しますと、しっかりとしたデータが出ているようでプラズマローゲンは期待できそうですね。プラズマローゲンの効果が認められると、認知症に関する治療と予防のアプローチが変わり、我々の現場でも使われることが増えていくと思います。現在は大規模な臨床試験を行っておられるそうなので、さらなる良い結果が出ることを願います。
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