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AMC健康成分ラボ

認知症に希望の光プラズマローゲン

研究発表

専門家の声

Vol.07
がんの解明が進んだように、脳の解明も進む21世紀

今回はがん治療の専門医である森山紀之先生へのインタビューです。国立がんセンターにおられた時には、がん治療が目まぐるしいスピードで進歩していく真っ只中で臨床と研究に従事されていらっしゃいました。森山先生は大きな病院での外科・放射線、そして診断と幅広い領域のご経験をもつ数少ない医師です。医療の進歩に対するお考えと、ご自身の健康管理の方法について伺いました。

森山 紀之 先生
1947年、和歌山県生まれ。千葉大学医学部卒。1976年に国立がんセンター放射線診断部に入局。同センターのがん予防・検診研究センター長を経て、現職。ヘリカルスキャンX線CT装置の開発に携わり、早期がんの発見に貢献。2005年に高松宮妃癌研究基金学術賞、2007年に朝日がん大賞を受賞。主な著書に「がんはどこまで治せるのか」(徳間書店)。現 医療法人社団ミッドタウンクリニック 理事。

20世紀はがん治療が進歩した時代

全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2016年5月集計)により

日本のがん治療における中核病院の一つに国立がんセンターがあります。国立がんセンターでは、がん治療成績を「生存率」という数値で公表しています。よく使う指標にがんの治療を開始してから5年後にも生存している人の割合を示す「5年生存率」があります。私が国立がんセンターに勤め始めたころ、全てのがんの治療成績を合わせた5年生存率は40%程度でしたが、外科手術の進歩が大きく貢献して60%まで上がりました。全てのがんを合計した5年生存率は1997年に62.0%だったものが、さらに改善し、2005年には68.7%に達しています。外科技術だけでなく、化学療法、放射線療法が進歩してきたことも挙げられるでしょう。今後は早期発見・早期治療と予防の領域に力を入れることによってさらにがん対策は進んでいくでしょう。 少し治療の歴史を振り返ってみます。例えば1975年頃は、肝臓がんには効果的な治療方法が少ないと考えられていました。外科的な観点でいうと、昔の教科書は肝臓の部位である右前区域・後区域が実際の臓器とは異なって描かれていたために、非常に初歩的なミスが多くありました。いまは改善されています。また、肝臓の仕組みも詳しく解明されています。また、肝臓がんの原因のひとつにウイルスが関係していることが分かってきました。B型肝炎ウイルスの主な感染ルートは母子間だったのですが、1986年頃から子供に対するワクチン接種が開始されて以来、母子感染は激減しました。C型肝炎ウイルスは、主に血液を媒介して感染します。輸血による感染が非常に問題となっていましたが、1992年頃に輸血用の血液に対してC型肝炎ウイルス抗体検査が導入されることにより、C型の感染もほとんどなくなりました。このような原因の究明と治療法や対策の進歩によって、がんはコントロールできるようになってきたのです。

セカンドオピニオンの重要性

ひとつ、がん治療の例を挙げてみます。大腸がんの患者さんがいて、がんのもととなる大腸がんは手術で無事に取り除くことができたとします。そして、その後に肺転移が3箇所見つかったとします。医師によっては、転移が始まってしまったらもう手術をしても遅いと判断するかもしれません。しかし状況を整理してみると、原発※していたがんのもととなる大腸がんはすでに取り除いているわけですから、3つの肺がんは、大腸がんが存在していたときに血管にがんが浸潤して転移が始まっていたものの一部だろう。肺の3つまでのがんだったら放射線治療を保険で行うことができる。まずは3つを取り除いて様子を見てみよう、とも考えられるわけです。ここで3つだけと考えずに6つや7つは発生するかもしれないなとシミュレーションしておくと、3つ取り除いたあとの発生も一喜一憂せずに出現が落ち着くのを待つことができます。原発の大腸がんはもう無いので、出現ごとに取り除いてしまえば、もう出てこないこともあるのです。寛仁親王殿下のがん闘病をご存じでしょうか。1991年にがんが見つかって以来21年ものあいだ、16回にも及ぶ手術などの治療を前向きに粘り強く続けたそうです。 (※原発=最初に発症すること)

がん治療では手術、化学療法、放射線、そして最近では緩和医療なども重要になってきています。これら全ての治療を深くまでトータルで理解している医者はほとんどいません。弁護士さんの活動を思い浮かべていただくとよいと思います。企業財務が得意な方、刑法や刑事訴訟法が得意な方、民事だけを優先的に取り扱っている方など様々です。すべてに詳しくなるのは難しいですよね。医師も同じです。ですから、がん治療に限らずですが、複数の専門の人に意見を求めることは非常に重要です。新しい治療にも前向きな医師の意見を聞いてみることも大切だと思います。がん治療では、病院によってはチームを組んで様々な専門医がカンファレンスを行う場合があります。そういった病院は信頼性が高いかもしれませんね。

「新しいものを受け入れる」それが治療の進歩につながる

21世紀になる少し前から「21世紀は脳の時代」という言葉をよく耳にするようになりました。20世紀後半は、人の臓器の多くの機能が分子構造レベルで解明されてきたので、がん治療も進歩しました。そして未知の領域として残っているのが「脳」というわけです。現在の研究者たちは脳を解明しようとして様々な角度から研究をしています。特に神経変性疾患であるパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症、そしてこれからの一番の社会問題となると思われる認知症などは、脳の機能が解明されるにしたがって治療法も進歩していくでしょう。アドバンスト・メディカル・ケア社が発売しているプラズマローゲンもその一つです。プラズマローゲンは、人や動物の体内にもともとあるリン脂質の一種で、脳の疲労や酸化を守ってくれる物質です。アルツハイマー型認知症患者さんの脳内ではプラズマローゲンが減少していることは以前から分かっていたのですが、それをサプリメント化まで進めた研究者が九州大学名誉教授・藤野武彦先生たちのチームです。藤野先生たちはプラズマローゲンによる認知症に関する臨床試験を行っています。まさにエビデンスを作ろうとしているのです。藤野先生たちの報告によると、昨年の春より行われたオープントライアル試験にて、アルツハイマー型だけではなく、レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症においても、一定の効果があったようです。詳しくは藤野先生の書籍「認知症はもう不治の病ではない!」をご覧になるとよいでしょう。今年はさらなる研究結果の公表を予定しているようで、非常に楽しみです。

趣味をたくさん持って、脳の健康を維持しましょう。

これは私の健康法のひとつでもあるのですが、脳の使い方を意識することで、脳が活性化して老化を遅らせることができると思っています。脳はまんべんなくいろいろな部分を使ったほうが老化防止に繋がります。見ること、聞くこと、話すこと、できるだけ趣味を多く持つと良いですね。「いまさら、私なんか、もう歳ですから…」と思っている方は要注意です。スポーツをして体を動かしながら判断をしたり、将棋や囲碁などで頭を使ったり、音楽を聞いたり歌ったりして、脳の多くの部分の機能を刺激することが大切だと思います。例えば何かで怒ったあと、しばらく怒りっぽくなったという経験はないでしょうか。脳は電気を使って情報を伝達していますので、その怒りの回路のところに強力な電気が走るのです。そうすると多くの電気が流れたその回路は電気が流れやすくなります。ただ、怒りというものは性格をも変えてしまいかねませんので、日々たくさんのことに興味を持ち楽しいことなど前向きなことでいろいろな回路を活性化させたらよいと思います。脳はマンネリ化すると同じところにしか電気が流れなくなるので、それ以外の部分の老化は早く進んでしまうでしょう。歳を重ねると過去の経験から同じ考え方や物の見方、感じ方に当てはめてしまいがちですので、意識して脳をマンネリ化させないようにしましょう。

プラズマローゲンを飲むとその効果も気になりますよね。そこから脳に興味を持つことが始まってもいいのです。どうすれば自分の脳が健康でいられるのか、脳に関する情報も収集していくことで脳の健康管理が徐々に上手になっていくと思います。

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