人生100年時代を健やかに美しく女性の健康
研究発表
第24回日本抗加齢医学会総会において、「フェムゾーンから展開される新たなフェムテックと女性医療へのインパクト」と題して発表がありました。
フェムゾーンから展開される新たなフェムテックと女性医療へのインパクト
2024年5月31日から6月1日、熊本城ホールで、「第24回日本抗加齢医学会総会」が開催されました。フェムテック for anti-agingをテーマにしたシンポジウムの中で、吉形先生からは、フェムゾーンから展開される新たなフェムテックと女性医療へのインパクトと題して、フェムテックのトレンドと、女性のQOLを上げる課題の1つとして、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)の改善があげられること、そして腟マイクロバイオームが女性のさまざまな疾患や健康問題に関係していることについて、自験例をもとに発表が行われました。
フェムテック事業では少数派のメノポーズケア、GSMケア
女性のQOLを向上させるために、更年期障害への対応と同じぐらいとても大切なこととして、泌尿器や生殖器の不具合を改善することが挙げられます。近年、GSMという概念が広まりつつありますが、腟マイクロバイオームの状態がGSMを含む女性の健康問題に大きな影響を与えます。この腟マイクロバイオームの概念が広まっていくと、おそらく女性のQOLが非常に向上するのではないかと思っています。
世界のフェムテックトレンド2024
FemTech Industry Landscape Overview Q4 2021より
世界のフェムテック事業をみると、1位 妊娠と看護(21%)2位 リプロダクティブヘルスと避妊(17%)、3位が月経の健康(14%)となり、上位3位までで、市場全体の65%を締めています。日本でも同様に「妊娠と看護」、「月経の健康」、「リプロダクティブヘルスと避妊」の事業が多い状況で、課題となっているメノポーズケアやメンタルヘルスケアが少数派となっています。
フェムゾーン関連のフェムテックとしては、下記に示す通り検査/診断、コンシューマー製品、デバイス等があります。
ライフステージによって変化する、腟マイクロバイオーム
フェムゾーンを考える時に腟マイクロバイオームの正しい状態について知っておく必要があります。
腟には自浄作用があります。エストロゲンが産生するグリコーゲンと、腟の中のマイクロバイオームであるラクトバチルス乳酸菌が合わさって乳酸が産生され、これが腟の自浄作用を保ちます。マイクロバイオーム自体が免疫作用を有しており、私たち女性の体の免疫を刺激して、抗菌作用、婦人科癌の発生を抑制するといった様々な作用を持ち合わせています。
ライフステージによって変化する
腟マイクロバイオーム
このようにエストロゲンによって促される乳酸や、腟マイクロバイオームはライフステージによって変化します。エストロゲンが充足されている性成熟期には、腟マイクロバイオームはラクトバチルス乳酸菌で満たされた状態になり、腟内のpHは下がり酸性になります。
一方で周閉経期~閉経になると、エストロゲンが減少しラクトバチルス乳酸菌も減少し、pHは上がってきて中性の状態になります。ラクトバチルス乳酸菌が減ってしまうと、病原菌などの多様な菌が増えて疾患リスクが高まります。そして月経期はエストロゲンが一番低い時期。この時期も実は女性の腟内の環境は、閉経後と同じような環境になっています。若い世代の女性でも、この月経期というのは非常に脆弱な腟内環境であるということを理解しておく必要があります。
この腟マイクロバイオームと女性の健康については、たくさんの研究が示されています。ラクトバチルス乳酸菌がリッチな状態であると、HIV、HPV、性病関連菌の感染リスクが低くなるということが知られております。逆に、腟内に多様な菌が多い状態は、これらの感染リスクが高まることが示されています。
女性のQOLに大きく影響するGSMのリスクについても、中高年以降の腟内環境の変化、また月経中の女性の脆弱な腟内環境においても、腟マイクロバイオームを健康に保つということが、リスク低下や予防面でも重要になります。
日本国内の動向 経済産業省 「フェムテック推進」
日本国内の動きとして経済産業省がフェムテック推進に取り組んでいます。
一般企業から公募してフェムテックの製品サービスの社会実装のために、実証実験、これらに対する補助金制度といった取り組みが始まっております。
製造に従事する女性の働きやすさ改善を目的に、
実証事業『日本・ベトナムにおける「製造IoT」×「女性の健康管理」
による生産性の見える化で女性のパフォーマンス改善を実現』
エストールはFlora株式会社様を通してエストールデリケートソフトウォッシュを提供し、
日本・ベトナムにおける女性のパフォーマンス改善の実現に参加しました。
GSM対応のフェムテックに期待
日本では諸外国と比べ性器症状に対する薬剤に制限があります。たとえば萎縮性腟炎に使う腟剤にはエストリオール腟剤がありますが、爪の先ぐらいの小さな硬い錠剤を、自宅で自ら入れてもらいます。腟が萎縮している人に対して、入れにくさや痛みもあり非常に難しいと感じています。
そのような経験から私はGSM対応のフェムテックに大いに期待をしています。
ここで当院での取り組みをご紹介します。どなたでも遺伝子レベルで腟マイクロバイオームを検査することができます。慢性膀胱炎で長年泌尿器科に通院されていた方が、この検査を受けた後、ご自宅で行う経腟プロバイオティクス(ラクトバチルス乳酸菌含有腟内ジェル)を使用し、改善された方もいます。
このような検査やセルフメディケーションが必要な方にすぐ届くようなところまで、フェムテックは進んできていると思います。フェムゾーン指導をしっかり行い、
腟マイクロバイオームを正常に戻すということを念頭に置いたフェムケア商品を使って診療を行っています。
腟マイクロバイオーム検査
浜松町ハマサイトクリニック
【自験例】ラクトバチルス含有プロダクトによるフェムゾーンケア介入4週間での過活動膀胱改善効果
自験例について詳しくはこちら↓
健康成分ラボ 第22回日本抗加齢医学会総会
性成熟期から正しいマイクロバイオームを維持するということは、やはり女性のウェルネス、性感染症や子宮頸がんの一次予防、GSM改善、セクシャルヘルスの向上等幅広い領域に寄与するものと考えます。腟マイクロバイオームの概念に基づくフェムゾーンのフェムテックの正しい活用は、産婦人科、婦人科全ての領域と関連し、今後の女性予防医療の新戦力となりうると考えており、今後さらに広まっていってほしいと願っています。
※スライドの無断転用はご遠慮ください。
エクオール
成分情報
研究発表
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第24回日本抗加齢医学会総会において、「フェムゾーンから展開される新たなフェムテックと女性医療へのインパクト」と題して発表がありました。
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第23回日本抗加齢医学会総会において、女性のエイジングとマイクロバイオームの変化からみた新しい女性ヘルスケアの展望について発表がありました。
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第51回日本総合健診医学会において、ーフェムテック到来により期待される女性検診のパラダイムシフトと展望ーについて発表がありました。
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【自験例・横断研究結果】腟・腸内細菌叢のクロストークについての探求
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第15回抗加齢ウィメンズヘルス研究会において、女性のエイジングとマイクロバイオームの変化 -腟内・腸内細菌叢のクロストークから見た女性ヘルスケアの展望-について発表されました。
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第22回国際栄養学会議において、「健常男女の血中および尿中エクオール濃度の比較とエクオール生成に影響を及ぼす因子の検討」についてポスターセッションで発表されました。
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「第22回日本抗加齢医学会総会」シンポジウム「フェムテックと人生100年時代のアンチエイジング」において、「メノポーズマネジメントに活かすフェムテック」と題して講演を行いました。
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「日本総合健診医学会 第50回大会」において、「腟内フローラから考える女性ヘルスケアのパラダイムシフト~子宮頸癌リスク低減の新たな展望を見据えて~」と題した講演を行いました。~オンライン開催~
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第21回日本抗加齢医学会総会にて、「腟マイクロバイオームのエイジングによる変化と 乳酸菌含有素材のデリケートゾーンケアによる改善効果の検討」を発表
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第33回日本女性医学学会学術集会にて、「エクオール産生能と腸内細菌叢および、食習慣、生活習慣関連因子についての検討」を発表
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第32回日本女性医学学会学術集会にて、エクオールの長期摂取による生活習慣病リスクの改善効果について発表。
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第31回 日本女性医学学会学術集会にて、エクオール長期摂取による更年期症状などの改善効果について発表
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第26回 北米閉経学会(NAMS)にて、エクオールの生活習慣病リスク低減の可能性について発表
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第15回日本抗加齢医学学会総会にて、エクオールを産生できる人は約3割。ホルモン補充療法と同等の改善効果が確認されたことについて発表
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第13回更年期と加齢のヘルスケア学会にて、エクオール摂取にホルモン補充療法と同等の改善効果が確認されたことについて発表