2024年11月08日
国際閉経学会第19回世界会議において,ポスターセッションを行いました。

2024年10月19日から21日まで、オーストラリア メルボルンで、「国際閉経学会第19回世界会議」が開催されました。

吉形先生からは、エクオール産生能の優位性およびエクオール産生能検査の有用性研究のポスターセッションを行いました。

男女のエクオール産生者の健康上メリットとの関係

【研究背景と目的】

これまでの継続的な研究により、女性のエクオール産生者の健康的な優位性や、エクオールの作用が明らかになっています。本研究では、男女のエクオール産生者の状態を調査し、健康上のメリットとの関係を考察しました。

【結果】

前立腺がんのリスク指標であるPSAがエクオール産生者で有意に低く、前立腺疾患リスクの低減が期待できます。一般にエクオールで知られているメカニズムから、ジヒドロテストステロン（DHT）産生の抑制効果によりPSAが低くなるものと考えられます。ジヒドロテストステロン（DHT）の産生抑制は、男性型脱毛の抑制にも関連しています。

【男女ともに生活習慣病への好影響】

エクオール産生能のある男性では、LDLコレステロールが有意に低く、女性では、LDLコレステロール、中性脂肪、尿酸が低いという優位性が示されました。

これらは、一般にエクオールで知られているメカニズムから、肝臓での脂質合成の抑制作用、抗動脈硬化作用による腎血流改善の効果によるものと考えられます。このほか、エクオールは強い抗酸化作用を有することや、血管壁へは一酸化窒素NOの産生による直接的な抗動脈硬化作用もあることから、男女とも各種生活習慣病への好影響が期待されます。

世界に通じる、エクオールの有効性　ポスターセッションレポート

製薬会社や医療機器の展示ブースのあるエキシビジョンホール（写真）の中にポスター掲示エリアがあり、学会2日目の夜にポスターセッションが行われました。

私が参加している国際学会のポスターセッションは、ワインと軽食を楽しみながら行われ、リラックスしながら学べる楽しみな時間です。

私のポスターに訪れた参加者はタイ、台湾などアジア各国、欧州ではイタリア、現地オーストラリアの医師たちでした。

エクオールという代謝産物自体を知らない医師がほとんどで、体内動態のこと、エストロゲンと似た構造をもっていること、男女ともにエクオールによる健康増進効果が認められること、などを説明しました

オーストラリアの女性医師から「オーストラリア人のエクオール産生者割合は日本よりより低いはず、食事を改善してもなかなか産生能を上げるのは難しそう」、「オーストラリアにもエクオールサプリメントがあればよいのに」と仰っていました。

アジアの医師たちも同意見でした。

大豆食品や発酵食品が身近にありエクオールについてもだいぶ浸透している日本とは大きな差を感じるとともに、エクオールサプリメントの普及はグローバルに求められていることだと改めて実感しました。